シェルと空間構造文献抄録

IASS Bulletin



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Shape Finding Methods of Shells シェルの形状決定法
E.Ramm Vol.33, No.2, pp.89-99


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原題: Shape Finding Methods of Shells
訳題:シェルの形状決定法

著者:E.Ramm
著者所属:
雑誌名:Bulletin of IASS, Vol.33, No.2, pp.89-99
図14
用語:
原語:
日本語:

内容要旨:
古典的シェル構造は規則正しい形をしている場合が多い。この理由は、円形あるいは 四角形の平面に架けられたドーム等のように、与えられた規則正しい平面形にある。 もう一つの理由は、シェル理論における解析解がシェルの幾何学に関する解析的定義 を必要とするためである。このような幾何学的形状による設計では、しばしばシェル を適当な断面で切断し、剛な縁梁を取付けなければならない場合が生じる。切断され たシェル構造はもはやその理想的な膜応力状態を実現できないからである。 もう一つの方法は、問題の逆定式化である。スパンや高さなど小数の幾何学パラメー タ、荷重、要求される望ましい応力状態を与えて、シェルの自然な形状を見つける方 法である。この方法は大きな縁梁を回避して、より自然で美しいシェルの設計を可能 にする。
形状決定法として極小曲面の利用、実験的方法、逆問題、形状最適化等があるが、著 者等は形状設計、構造解析、感度解析、最適化を統合した形状最適化手法を開発した 。この手法の特徴の一つは、曲面の記述にBezier-, B-spline 補間法等CAGDの概念を 用いたことでる。応力及び歪レベル関数が目的関数として導入され、シェルの形状と 殻厚が最適化変数として用いられる。この方法を用いて回転シェルや4点支持シェル 等いくつかの例題を示した。数値計算ではどの場合にも唯一の解はなく、設計者にと っては対話型の周辺機器が必要であろう。また、座屈やクリープのような非線形現象 や時間依存の現象に対する拡張も可能である。抄録者注:著者は本年10月東京で開催 されるSEIKEN-IASSシンポジュームでの招待講演のため来日予定。

(日本大学 三井和男・抄)

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