シェルと空間構造文献抄録

IASS Bulletin



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Toronto Skydome Roof Structure ; Engineering Challenge トロントスカイドーム屋根構造
C.M.Allen Vol.33, No.3, pp.163-169


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原題: Toronto Skydome Roof Structure ; Engineering Challenge
訳題:トロントスカイドーム屋根構造

著者:C.M.Allen
著者所属:
雑誌名:Bulletin of IASS, Vol.33, No.3, pp.163-169
図6
用語:
原語:
日本語:

内容要旨:
トロントスカイドームは5400席を有する多目的スタディアムであり、20分間で 全席の91%を開放できる可動屋根が特徴である。屋根は4つのシェルから成り、その 内の3つの移動により開放することができる。基本設計に当たって、1.スタディアム の基本形は円形とする、2.屋根はできるかぎり開放する、3.屋根が開放されたときフ ィールドに影を落とさない、4.設計は規格品のトラスを使用する、5.屋根の基本形状 は、構造的な効果、経済性と美しさの点からパラボリックアーチであること、6.屋根 のディテールと移動メカニズムには規格の技術を用いること等が考慮された。4つの シェルのうち2つはドーム型、他はバーレルアーチ型である。このような形状の複雑 さを克服するために、簡単な数式でシェル面を表現しCADの支援を受けることにした 。これらのCADデータはデータベースとして蓄えられ、静解析、動解析、CADによる図 面作成等に用いられた。また、構造解析には、1.自重による死荷重、2.雪荷重、3.風 洞実験より得られた風荷重、4.地震力、5.パネルの移動が突然停止したときの動的効 果、6.温度の効果による荷重、7.支持構造物の変形による荷重、8.パネルの駆動力の 差によるゆがみの効果による荷重等を考慮して汎用有限要素プログラムSAPIVを用い た。特に、設計に当たっては、支持構造物と屋根の相互作用が非常に重要であり、計 算モデルには支持フレームの剛性を3次元バネモデルでモデル化して解析を行なった 。また、風荷重および雪荷重を決定するためには、風洞実験が行なわれ、この風洞実 験と過去20年間の気象データをもとに降雪のシミュレーションが行なわれた。

(日本大学 三井和男・抄)

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