Journal of Engineering Mechanics
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Dynamic Stability of Imperfect Frames under Joint Displacements |
強制節点変位を与えた場合の初期不整を有するフレームの動的安定 |
D. S. Sophianopoulos and A. N. Kounadis | Vol.120, No.8 Aug. 1994, pp. 1661-1674 |
原題:Dynamic Stability of Imperfect Frames under Joint Displacements
訳題:強制節点変位を与えた場合の初期不整を有するフレームの動的安定
著者:D. S. Sophianopoulos(1) and A. N. Kounadis(2)
著者所属:
(1)Res. Engr., Struct. Anal. and Steel Bridges, Dept. of Civ. Engrg., Nat. Tech. Univ., 42 Patision Str., Athens 106 82, Greece.
(2)Prof., Struct. Anal. and Steel Bridges, Dept. of Civ. Engrg., Nat. Tech. Univ., 42 Patision Str., Athens 106 82, Greece.
出典:Journal of Engineering Mechanics Vol.120, No.8 Aug. 1994, pp. 1661-1674
概要:
■導入
初期の形状不整を有する2つの部材からなるフレーム(FIG.1)の動的安定問題の数値解析を行っている。この初期不整は、FIG.1にあるモードでa01=a02として与えられ、右回りを正とする。強制節点変位は部材1および2の接合部の鉛直方向下向きに作用し、ステップ関数状とし与えられる場合について主に解析している。
■定式化
はじめにハミルトンの原理を利用して支配方程式を導き、次にガラーキン法を用いてこれを離散化する。また離散化するさいに、適当な諸元を用いて無次元化している。本論文では、変形モードを1モードのみとした場合と、2モードの重ね合わせとした場合について定式化している。
■数値解析結果
(1) 変形モードを1モードと仮定したとき
1989年に共著者が発表した結果ときわめてよく一致した。
(2) 変形モードを2モードと仮定したとき
2つの部材の性状(部材長、回転半径、ヤング定数)が等しい場合について扱っている。無次元化した初期不整量a01をa01=-0.14、無次元化した強制変位量ξ0を
ξ0=0.40とするケース、a01=-0.07、ξ0=0.30とするケースの2つについてそれぞれ時刻歴変位応答をFIG.5に位相図をFIG.6に示す。これより後者のケース(a01=-0.07、ξ0=0.30)は動的に安定であるのにたいし、前者のケース(a01=-0.14、ξ0=0.40)は動的不安定になっていることがわかる。ある強制変位量に対して、初期不整量がいくらのときフレームが動的不安定になるかの臨界値を、強制変位量をパラメータとして示したものがTABLE 2である。
また強制変位ξ0=0.60のときは、0.0≧a01>-0.317もしくは-0.601≧a01>-0.755のとき安定であるが、-0.317≧a01>-0.601もしくは-0.755≧a01のとき不安定となる。安定・不安定の範囲が交互に存在する現象はメタスタビリティーよばれ、1991年、共著者らによって初めて報告された。
なお初期不整量a01が正の場合には任意の強制変位量に対して常に安定であった。
■結論
変形モードを1モードとした場合、既往の研究の結果ときわめてよく一致している。変形モードを2モードとした場合、初期不整量が正のときフレームは安定であるが、負のときは臨界値が存在し動的不安定が生じる。安定・不安定の範囲が交互に存在するメタスタビリティーも観察できた。
(1994年9月21日 清水建設(株)和泉研究室 瀧諭)